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叱ると怒るの違いを教えろ!

 

1:部下を叱らない管理者

読者の方からの質問をご紹介致します。

当社の管理者は部下を叱らないので困っています。部下が悪いことをしていたらすぐに叱れと指示しているのですが、何を遠慮しているのか叱らないのです。しつこく叱れというと「日本人がうるさいから」などと上司の権威を利用して叱ったり「人事や日本人からで叱ってくれ」とこちらに責任を転嫁したりします。

 

2:叱らない建前の理由とは

部下を叱らない管理者は私の指導先でもよく問題になります。日本人駐在員にとっては末端の作業員を直接叱るわけにも行きませんから、管理者に叱ってもらうことになります。しかし現実には部下を叱るのを嫌がる管理者が多いのです。読者の中にも「現地の管理者が部下を叱らない理由は何だろう」とヒアリングをしたことがあると思います。出てくる答えは決まっており「注意をすると作業をサボったりなどの嫌がらせを受ける」「残業に協力しなくなる」など部下への責任転嫁がほとんどです。自分は叱りたいのだが、叱ったら部下から復習され操業に影響するとの理論で自分を正当化するのです。この責任転嫁の理由に付き合っていたらきりがありませんし、第一何の解決にもなりません。

 

2:叱らない本音の理由とは

部下を叱らない本音の理由は単純明快、叱って人間関係に波風を立てるのが嫌だからです。

毎日会社で顔を合わせる人と感情的にもつれたら気持ちよくありません。叱らないのは管理者としての責任よりも、自分が職場で気持ちよく働くことを優先させているのです。これを改めさせるには次の3項目を徹底的に理解させる必要があります。

 

2.1:管理者の自覚を持たせる

叱らずに人が育てば言うことはありませんが、現実には間違った行為を指摘して、正しい行為を定着させるために「叱る」行為は必要不可欠です。会社では管理を遂行するために、誰かが叱る役割を担わなければならず、それは職制からして管理者になるのです。この自覚を持たせることは大変ですが、個人面談などで繰り返し意見を述べて、洗脳することが必要です。

 

2.2:叱ると怒るの違いを教える

私は指導先の現地管理者によく説明するのが「叱ると怒るの違いを理解しろ」と言うことです。日本人駐在員の中にも混同している人がいますが、叱るとは語源を調べると「しっかりと確認して相手に教えること」とある通り、相手への教育なのです。また怒るとは相手への教育にこちらの感情が入ることです。部下を怒らずに叱るようにすれば、部下に恨まれたり、嫌がらせをされることはありません。相手への教育と考え、相手に対する思いやりを持ちながら叱れば良いのです。叱り方はリーダーシップに不可欠ですから、叱る手法も数多く研究されています。管理の本を読めば効果的な手法をいくらでも学ぶことが出来ます。

 

2.3:叱ると怒るの基準を持つ

次に大事なのは叱ると怒るの基準を持つことです。多くの管理者はこの基準を持っていないので、叱るべきときに怒ってしまい、部下の恨みを買うことがあるのです。私は指導先の現地管理者にあらかじめ次のように伝えてあります。「君たちが努力した結果、失敗した場合は、私は怒らずに叱ります。ただし決めたルールを守らない。怠惰でやるべきことをやらなかった。同じミスを何度も繰り返すようなときは叱らずに怒ります」あらかじめこのように宣言してありますから、私は必要な場合は管理者を人前でも声を上げて、机を叩いてガンガン怒ります。それで信頼を失ったことは未だにありません。

 

私は毎月、500人以上の現地管理者を教育していますが、相手を叱っても愛情、教育の気持ちがあれば、嫌われるどころか信頼されることを実感しています。現地管理者にも同じ気持ちを持ってほしいと思います。