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      不況でタイ人管理者の意識が変わりつつある

 

 

最近当社で行っている管理者研修を通じてタイ人管理者の意識もずいぶんと変わってきたなと感じることがあります。それは不況の影響を受けて安定志向が強くなってきたと言うことです。少し前までは参加者に「自分の会社の良い点を述べよ」と尋ねると「給与が良い」「福利厚生が良い」など金銭的な理由が多かったのですが、この不況の影響下で最近の答えは「業績が安定しており、利益も順調に出ている」「取引先が大手企業であるため不況の影響をあまり受けない」などこちらが驚くような答えが大半です。

 

今回の不況の影響は大きく、実際にセミナーで「今回の不況で自分の周りに影響を受けた人がいるか」との質問にも「失業した友人がいる」「知り合いの会社は交通費が出なくなった」「友人が残業カットになった」などの各社とも参加者全員に影響を受けている知り合いがいました。このような状況になって来ると一時的に「給与が良い」企業よりも不景気の影響を受けにくい企業に人気が出て来るようです。

 

ある小さな会社で研修を行ったの際も「この会社は小さいところですが売り上げがこのように推移しており、取り引き先企業もこのような大手ですから将来的にも安定していると思います。ですから私はここで長く働きたいと思います」と具体的な数字と企業名も一緒にあげられて「彼らなりに良く調べて考えているな」と感心させられました。

 

この意識の変化を踏まえ雇用する企業側としては今後は募集や面接試験の際に福利厚生、給与額を強調するよりは、むしろ具体的な業績の数字や取引先の企業名を出したり、生産している製品の今後の市場での需要の伸び率、また自社の将来的なプランなど「安定しており将来的に伸びる企業」とのイメージを与えて行く方が効果的だと思います。

タイ人管理者もこの不況の中で今までの売手市場から買手市場に移っていることは痛感しており各企業とも定着率が上がってきているようですが、日系企業の管理者としてはこれで安心しているわけにはいきません。定着の動機が給与から安定性に変わっただけで業績が下向きになったり、他に安定しいる企業が募集をしていたりすれば依然として他に移る可能性があるからです。

 

タイ人管理者の一般的な傾向として目先の状況で判断しがちですから、たとえ業績が一時的に下がったとしても悲観論ばかり繰り返していると安定志向が強くなってきているだけに動揺する可能性があります。「市場予想からOO年には回復に向かう」「景気に変動はつきもの、予測ではOO年には回復に向かう」と明るい話を付け加えておくことが大切です。会社の安定のためには業績が順調に推移する必要があり、そのためには管理者も今まで以上に仕事に対して努力しなければいけないことをタイ人管理者も気が付いています。この不況なかでタイ人管理者に安定志向が芽生えて仕事に対するやる気がで出ているだけに、社内教育の体制を固めればかなりの効果が期待できると思います。