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ラインバランスの改善方法

 

1:ラインバランスが悪い

コンベアで生産を行っているのですが、ラインバランスが悪くて困っています。現地管理者に改善するように指示しているのですが、一向に進んでいません。客先からも指摘を受けており早急に改善する必要があるだけに困っています。

 

2:ラインバランス改善のステップ

私はコンサルタント先の現地管理者を育成し、利益を出すプロの管理者に育てる仕事をしています。そのためにラインバランスの改善も大きなテーマになります。私が現場を見て改善を指示するのは簡単ですが、それでは現地管理者の能力が向上しません。ラインバランスの正しい改善の仕方を教えて、彼ら自身の力で改善させて行くのです。私がラインバランスの指導を行うときには次のステップで進めて行きます。

 

2.1:目的の明確化

生産性向上の何を目標にラインバランスの改善を進めるのか明確にします。具体的にはボトルネックを解消して数量増加を狙うのか、作業効率を改善して省人化を狙うのかの2つに分かれます。数量増加と省人化では改善の進め方が全く異なるので、最初に明確にしておくことが必要なのです。

 

2.2:正確な標準作業時間

工程のあるべき作業時間である正確な標準作業時間のデータが必要です。会社によってはこの標準作業時間の作成が不備であるため、改善が思うように進まないケースがあります。標準作業時間では特に余裕率の設定が各社で異なることが多いため、コンサルタントとしては、この余裕率の設定基準が適正かも確認する必要があるのです。

 

2.3:正確なラインバランスの測定

「会社にあるストップウオッチを全て持ってこい」と言えばその会社のレベルが分かります。直ぐに適正数のストップウオッチが集まる会社は良いのですが「無くなりました」と数個しか出てこない会社では本当に時間管理が行われているか疑わしいものです。またストップウオッチによる正しい測定方法も知らない人が多いのも現実です。測定結果をグラフにしてラインバランスの%まで算出しているデータがあれば理想ですが、そうでない場合は正しい測定方法、正しい計算方法、グラフの作成方法から教えて行きます。

 

2.4:現場の観察

ラインバランスはデータだけではなく現場で現物を見て現実を確認することが必要です。仕掛り品の数量と手待ちを見れば直ぐに問題点やボトルネックなどラインバランスの問題箇所を把握することが出来ます。最近は仕掛り品規制や1個流しにより、仕掛り品が1個しかないケースもあります。この場合は一見するとラインのバランスが取れているように見えますが、前工程の作業者が後工程の作業者のペースに合わせて、遅く作業しているケースもあるため、ラインバランスの測定結果も併せて判断することが必要です。

 

2.5:動作の改善

ボトルネックの工程の改善ですが、まず動作経済の法則を応用して動きのムダを取ります。具体的にはものと体の距離を短くする、ムダな動作を減らずなどが中心となります。動作の改善は1個あたりの改善による時間短縮がわずかなので出来る限り数多く改善させることが必要です。

 

2.6:作業の振り分け

動作の改善だけでは解消できない場合、ボトルネックの工程の作業を他の工程に振り分ける必要があります。サイクルタイムが短い工程に作業を割り振ればよいのですが、現実にはそんなに簡単に行きません。作業を細かく分解したり、工程の順番を入れ替えたりなど細かな作業を試行錯誤で繰り返すことになります。

 

ラインバランスが理想値になるのは現実的には難しいのですが、管理者が正しいラインバランスの測定と改善方法を理解していれば、ある程度までは良いバランスを保つことが可能となるのです。