1:ダメな管理者の3つの特徴
会社の退職理由で「上司との人間関係」を挙げる人は少なくありません。このように管理者が部下に与える影響は極めて大きなものがあります。管理者は部下のやる気を引き出すために、人間関係を含めてできる限り、気配りすることが必要なのです。しかし管理者の中には部下への気配りが全く出来ておらず、自分のことだけしか考えていない人がいます。このような管理者がいると部下のやる気を失わせて、組織の生産性も悪化してしまうのです。このような問題を防ぐために、管理者にはダメな管理者の特徴とその影響を正しく理解させることが必要です。
1)部下に仕事を丸投げする管理者
管理者の中には部下に次々と仕事を丸投げする人がいます。このような管理者は「私は部下の育成のために仕事を与えているのだ」と言い訳するタイプが多いのです。しかし実際には自分が楽をするために、面倒な仕事や難しい仕事を部下に与えているケースが多いのです。
■部下の信頼を失う
部下は管理者から面倒な仕事や難しい仕事を次々と与えられると、仕事量が増えて「嫌な仕事ばかり押しつけられる」と強い不満を感じるようになります。部下は「管理者が楽をしようとして、難しい仕事ばかり押し付けてくる」などと簡単に分かりますから、このような管理者は部下からの信頼を失うことになるのです。
■管理者の仕事が増える
部下は管理者が難しいと思っている仕事を押し付けてくるので、相談しても意味が無いことが分かっています。ですから問題が発生すると対処できなくなり、最終的に仕事を与えた管理者がその責任を負うことになるのです。管理者は丸投げしている時は「仕事が減って楽になった」と感じるのですが、最終的には自分が部下の仕事の処理を行わざるを得ず仕事が増えることになるのです。
2)自分で仕事を抱え込む管理者
長年その部署に在籍して内部昇格した管理者によく見られるケースですが、自分で仕事を抱え込んでしまい、部下に仕事を任せない管理者がいます。管理者は部下に仕事を任せるより、仕事に精通している自分が行えば早く効率的に行えると信じているのです。
■組織の生産性が向上しない
管理者が部下に仕事を任せないと、自分が抱える業務量が増え続けて多忙を極めることになってしまいます。部下は管理者が仕事を抱えて忙しい状態を見ると、仕事の相談が出来ないために意思決定が滞ります。部下のやる気も下がるために、組織としての生産性が向上しないのです。
■部下が成長しない
管理者が部下に仕事を任せないと、部下は日常業務だけの仕事になってしまいます。また部下の仕事量が足りずに、手が空いたりするのです。部下は少し難しい仕事を達成してこそ成長していくのです。管理者は自分が仕事を抱えることで、部下の成長の機会を奪っていることを理解します。
3)自分の意見が無い管理者
管理者の中には上司から言われたことをそのまま部下に伝達する人がいます。管理者は上司から言われたことを自分なりの考えを加えて、自分の意見として部下に伝えることが必要です。
■誤解が発生しやすい
上司は大まかな指示を出しますが、管理者が現場の状況を踏まえて具体的な行動に落とし込んで部下に指示することを期待しています。管理者がこれを怠り上司から言われたことをそのまま伝えてしまうと、部下は詳細や具体的な行動が分からず、誤解が発生してしまうことがあるのです。
■コミュニケーションが悪くなる
管理者が上司の指示を自分の意見として具体的な行動まで落とし込んで指示すると、部下も納得して行動することができます。ところが管理者がこれを怠ってしまうと、部下は「この管理者は何も考えていない」と思って、一気に信頼を失ってしまいます。そうなると部下は「管理者を相手にしても仕方ない」と考えてしまい、コミュニケーションが悪くなってしまうのです。コミュニケーションが悪くなるとお互いに信頼しなくなってしまうとの悪循環に陥ってしまうのです。