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実践!生産革新道場:第327

   生産性向上のためにはやる気のない管理者を誘導尋問で追い込め

 

1:作業が遅い作業員がいた

ある工場で生産数量が下がっているラインがあったので、私は製造の管理者と現場に行き状況を確認しました。このラインでは作業員が製品に部品を取り付ける作業を行っていましたが、その中に作業が遅い作業員がいたため、生産数量が下がっていたのです。私は管理者に「あの作業員はいつからラインに入ったのだ」と聞いたところ「昨日からラインに入った新人です」と答えました。管理者は「以前から新人をラインに入れると慣れない作業のため、作業が遅くなり生産数量が下がってしまう問題が起きていました。そこで2ヶ月前からトレーニングセンターを立ち上げたのです。新人はセンターで技能教育を行ったあと、ラインに投入することにしたのです」と説明しました。「あの作業員はセンターで教育を受けたのか」「5日間の教育を受けています」「教育を受けたのならば、なぜあのように作業が遅いのか」管理者は「実は私も困っているのです。センターで教育を受けた新人が、ラインに入るといつもあのような問題が起きるのです。トレーニングセンターの教育方法に問題があると思います。」と言い出したのです。

 

2:トレーニングセンターが機能していない

私は現状を確認するためにトレーニングセンターに行きました。そこでは数人の新人がゆっくりした速度で製品に部品を取付けていました。私は担当のトレーナーに「新人の作業速度が遅いではないか」と指摘したところ「上司から品質優先で教育を行え、と言われています。ですから作業速度を落として作業を行うように指導しているのです」と答えたのです。「あそこに何もしていない新人がいるぞ。どうして何もしていないのだ」「実は治具の数が足りないのです。製造に壊れたとの理由で治具を持ってかれてしまいました。ですから治具が無くて作業が出来ない人がいるのです」「作業標準書が掲示されていないが、どのように作業教育を行っているのだ」「作業標準書を申請しているのですが、未だ届いていません。ですから私が口頭で教えています」私はトレーニングセンターの管理が出来ていないと判断して、トレーナーに「今すぐあなたの上司をここに呼んできなさい」と指示したのです。

 

3:やる気のない管理者は誘導尋問で追い込め

私は管理者にトレーニングセンターの管理が出来ていないと指摘して、問題の詳細を説明しました。管理者は「トレーニングセンターは2ヶ月前に立ち上げたばかりで、未だ不備な点が多いのは事実です。指摘された問題点は直ちに改善を実施します」と言いました。しかし管理者の表情からはやる気が感じられず、この場限りの言葉で逃げようとしている雰囲気があったのです。そこで私は「お前はトレーニングセンターに常駐していないが、どの程度の頻度でトレーニングセンターに来ているのだ」と質問しました。トレーナーのいる前で質問したため、本当のことを言わざるを得ず「仕事が忙しくてトレーニングセンターに来る時間がないのです。ですから管理はトレーナーに任せてあります」と言い出しました。「それではトレーナーが行うべき管理とは何か、ここに全部箇条書きで書き出しなさい」と紙と鉛筆を渡したのです。

 

管理者は「必要なものを揃える」「TWIに従って作業を教える」「標準作業時間を説明して、その時間内で作業ができるように指導する」「時間ごとの出来高と品質を確認する」など多くの管理項目を書き出しました。私は「トレーナーにこれらの管理を行わせる責任者は誰か」と質問しました。「それは私です」「トレーナーはこれらの管理が出来ているか」「いや出来ていません」「それではお前はどうすれば良いのだ」「毎日、これらの管理項目をトレーナーに指導します」「お前が本当に管理を行ったか、どうすれば検証できるのだ」「管理項目を貼り出して、私が来た時間と確認のサインを入れます」「それでは次回研修時に私が管理のサインを確認して、トレーナーにお前の評価を確認するからな」今回は生産性を向上させるために、管理者に誘導尋問を仕掛けて自分で責任を持って管理せざるを得ない方法に追い込みました。このように生産性を向上させるためには、管理者自らに現場で管理を行わせるように追い込むことも必要なのです。