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実践!生産革新道場:第65回目:班長の効果的な洗脳方法

 

1:班長に必要な2つの考え方

私は研修先の工場で管理者の能力開発による生産性の向上を行っています。最近は教育効果を上げるためにマネージャーやスパーバイザーなどの管理者教育だけではなく、班長などの監督者の教育も平行して行うことが多いのです。管理者と監督者の教育を平行することにより、会社の方向性や考え方が末端まで浸透して、生産性が飛躍的に向上するからです。私が班長に教育を行う際には最初に次の2つの考え方を頭の中に徹底して叩き込んで洗脳してしまいます。

 

1.1:今の会社でしか監督者として働けない

1.2;自分の生活のために会社の利益を上げる必要がある

 

班長はこの2項目を考え方のベースにする必要があるのです。この考え方がベースになれば、仕事へのやる気が出てくるので、管理手法を教えるとすぐにマスターして現場で実践するようになるのです。

 

2:効果的な洗脳方法

私が監督者研修で上記の2項目を班長に洗脳するために使う手法を説明します。

 

2.1:将来の不安を煽る

まず班長に毎月の家計の支出を書き出させます。具体的な金額を書かせて、毎月大変な額の出費があることを認識させるのです。そして歳を取る毎に支出が増えることを数字で説明します。さらに「2年後、3年後の生活設計はどうしているのだ。子どもの入学費や保険の支払いなどはちゃんと計算して生活設計を考えているのか?」と将来の不安を煽っていきます。

 

2.2:元作業員であることを再認識させる

次に全員に最終学歴を述べさせます。そして入社時の役職を述べさせるのです。ほとんどの班長は学歴が低く、作業員で入社しているはずです。そこで「もし会社の利益が無くなってしまいリストラになった場合、君たちはどうするの?他の会社に転職した場合、新人の作業員で採用されるしかないねえ。当然、給料も大幅に減るだろう」「作業員でも正社員で雇うところは少ないよ。君たちは年齢も高いから日雇いの作業員になるしかないな。日雇ならば給料は大幅に減るし、福利厚生もないし、雇用の保障もないよね。これじゃ生活設計も出来ないな」「日雇いならば子どもの教育費はどうするの?」

 

このように不安を煽った後、この会社にいるから班長の地位にいられるのだと強調します。班長に自分はこの会社でしか仕事が出来ない、この会社で一生働くしかないと思わせてしまうのです。

 

2.3:会社の利益が自分の利益である

生活のためにこの会社で仕事を続けるしかないと認識させた後、自分の会社の利益が上がれば、雇用の不安もなく自分の生活も安定することを説明します。自分が作業員を良く監督して会社の利益が上がれば班長としての地位や収入が安定することが理解できた段階で「会社の利益を上げるためには班長として何をすれば良いのか?」と質問すると、一生懸命考えるようになります。この段階で私の方から「班長としてこのような考え方が必要だ、このような管理手法を身につける必要がある。そうすれば仕事の効率が上がり、会社の利益が上がるよ」と切り出すと、「必ず実践しますから教えて下さい」と班長の方から積極的に要請されます。こうなれば教えた内容は頭にすぐに染み込み、積極的に行動するため、効果が現場に現れて来るのです。

 

3:班長研修では雰囲気作りが重要

班長研修では雰囲気作りが極めて重要です。管理者の研修では「おまえは無能だ!今すぐ会社を辞めろ!」と怒鳴りつけることもありますが、班長研修でこれをやったら、萎縮して駄目になってしまいます。私は班長研修では怒鳴ることはまずありません。「君の年齢はいくつなの」「40歳か、じゃあ失業したら他の会社に就職できないな。40じゃ日雇いでも難しいぞ。田舎に戻って百姓で人生をやり直すか?」などと言ったときに、当人も廻りも大笑いするような雰囲気を作っていきながら、厳しい言葉を次々とぶつけて行き洗脳して行くのです。