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          「品質管理」の歴史の流れ(その2)

 

ご存知の通り日本ではQCやTQCは製造業のみならず、サービス業でも広く応用されています。例えばある小学校では学校給食を早めに作り置きしておくため生徒たちが食べるときにはおかずが冷たくなってしまいました。そこでパートの主婦たちが子供たちにできるだけ温かいおかずを出したいとQCサークルを結成、調理、保管、配膳時間などの作業行程を徹底的に見直して、おかずを運ぶエレベーターの効率化まで行い、常に温かい給食を出せるように成功したところもあります。またあるホテルでは宴会の際にトイレの場所を尋ねる客が多いためQCサークルで表示の改善を行い、尋ねる人が激減したところもあります。ある割烹料理屋では白衣のクリーニング料金の増大をQCで改善、自分たちで洗えるものは洗い、洗濯のりもお客が残したご飯粒を使うなどして料金の削減に成功しました。鈴鹿サーキット内の遊園地ではQC導入によりリピート客が増大しました。その他にもQCは「クレーム処理の向上」「営業の成果の向上」にも広く取り入れられているのは周知の事実です。これらの活動は正確には「業務の改善」とも言えるのですが、改善の過程でQCの手法が使われています。QCの基礎をマスターしておけば、まさに応用は無限です。
さて品質管理の歴史ですが、前回は 買手の選別の時代 補償の時代を説明しました。

3 保証の時代
1950年代以降、テレビ、洗濯機、冷蔵庫などの大量生産が始まり、家電製品が普及しはじめてきました。このように日常頻繁に使う製品では従来の新品交換の補償ではなく、ある程度使用した後でもメーカーが「一定期間の責任」を持つ「品質保証書」がないと売れないようになってきました。またメーカーの方でも大量生産で不良品を出すとコストが増大するために、製造工程はもちろん、製品においても保証期間のあとでも十分その性能を発揮できるように品質を保証できる体制を整えて行くようになりました。

4 信頼性の時代
1960年代に入るとカラーテレビ、自動車、クーラーなどの機能的耐久消費財が普及してきました。またメーカーの種類も増えて企業間の競争も激しくなってきました。ユーザーの選択肢も増えてきたため「商品を買う」から「機能を買う」との考え方に変化してきました。そのためメーカーでは信頼性設計、信頼性試験などを品質保証活動の中に取り入れるようになりました。

5 アフターサービスの時代
自動車や冷蔵庫のような高価な耐久消費財は故障した場合は修理して使うのが普通です。メーカーでは故障が起こらない製品を追求して行くと同時に故障した場合、いかに迅速の修理を行えるかの体制作りも大切になってきました。

品質管理の大まかな流れはこのようになっており、現在では製品自体のハードのみらなずソフトやサービスの品質も追求されており、いかに顧客の満足度を総合的に高めるかが大切な時代となっています。また環境問題もクローズアップされており、いかに環境にやさしい製品を作るかというテーマも出てきています。