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                      品質管理の基礎知識(その5)

 

以前にもここで書きましたが、日本に品質管理の概念を持ち込んだ代表的人物の一人にW・エドワード・デミング博士がいます。博士は「統計学的品質管理」を主張ましたが、これは「データによる数字が大切だ」との意味ではなく「データにより品質状況を把握して社員全員が品質を向上させるように役立てることが大切だ」と言っているのです。

デミング博士は1983年にユタ州の大学で経営学の生徒に対して次のような講義を行っています。

「みなさんはいかにして数字によって会社を経営するかを勉強すると思います。しかし数字だけに頼っていたら必ず経営は失敗します。倒産までにどのくらいの月日が掛かるかは分かりませんが、失敗することだけは確かなのです。その理由は皆さんが数字ばかり追ってしまうと、その数字に含まれていない他のもっと大事なことに関心を持たなくなってしまうからです。」

「経営者は数字を重んじすぎると製品を大量に作ることを要求し、品質を軽視してしまいます。世の中の人は不良品を作り出すのは工場で働く作業員だと思っていますが、そうではありません。作業員は経営者により不良品を作るように強いられているのです。作業員はいくら努力してもどうすることも出来ないのです。何とかしようとしても無駄なのです。なぜならこのような経営者は作業員の声に耳を傾けないからです。」

「数字ばかり追っている経営者の会社では生産数量が落ちるのを嫌がるので、現場では機械を止めることができません。機械が熱を持ってきたため作業員が「機械が異常です」と職長に告げたとしましょう。作業員は機械が壊れてしまわないうちに止めた方が良いと進言しています。職長も機械を止めて原因を調べた方が会社のためになることは分かっています。しかし彼はこう答えるでしょう。「いま止めるわけにはいかない。この鋳造を今日のうちにやってしまわなければいけないんだ」職長は機械を止めませんでした。機械は翌日壊れてしまい、生産ラインは4日間止まりました。しかし職長は職務を全うしたのです。」

この講義内容からも分かる通り、デミング博士は「データ偏重の数字主義にとらわれていけない。データはあくまでも品質の状況を知るための方法にしかすぎない。品質を改善するのは会社で働く人々自身なのである」と数字、データ偏重主義を戒めています。

さてPDCAの続きですが、以下の3項目を説明しました。
第一段階:PLAN(計画)① 目標の設定 ②計画の作成 ③ 5W1Hによる確認

第二段階:DO(実行)① 計画を理解させる ②作業状況のフォロー

第三段階:CHECK(確認)①作業状況の確認 ②品質状況の確認

次は第四段階:ACTION(処置する)です。

第四段階:ACTION(処置する):
処置には次の2つのケースがあります。

1 問題が発生した場合
問題が発生した場合は原因を調べて、再び同じ問題が起こらないように再発防止策を実施します。そしてその結果をデータにまとめて本当に問題が改善されたことを確認します。

2 目標が達成できた場合
目標が達成できた場合は「なぜ達成で来たのか」を検討して経験や知識を蓄積するようにします。そしてこの経験や知識は次回の計画の参考にして、より完成度の高い計画を作るようにして行きます。

「ACTION」で意外に忘れやすいのが目標を達成した場合の処置です。なぜ達成できたのかを検討してまとめて行くことによりノウハウの蓄積が出来るのです。このノウハウを無駄にせず次の計画に活かして行くことにより、効率よい品質管理が行えます。